梅津慶一 diary

たことねこ

アガペー②

部活はやってないから、4時ぐらいには家に帰る。テレビゲーム禁止だから、夕飯まで時間がある。

学校にいるときのいやな気分が、薄れてゆく。でも全部なくなるわけじゃない。

家の中に、母と二人だけは居心地が悪い。

「散歩に行ってくる」

 

やっぱり畑の方にむかう。人がいないところがいい。

男と猫がいた道を通る。

茶色い屋根と白い壁の家。今日も男と猫はいるだろうか。

家の前の、普通なら駐車スペースになるところ。

男はいない。だが、猫はいた。スラリとして、僕がいままで見てきた猫たちとは、あきらかに違う。

僕の足音を聞いて警戒していたようだ。今にも逃げ出してしまいそう。

何とかこの猫と仲良くなりたいと焦る僕。その時、自転車のブレーキ音。振り返ると、あの男が、自転車いっぱいにビニール袋をのせてとまっていた。

次の瞬間、猫は、家の裏手に逃げてしまった。