第4の猫③
数日後のある日、私は病院に行っていた。
異常なし、よかった。
で、自転車で帰ってきたときに、キューイちゃんの家を見ると、キューイちゃんが玄関付近に寝そべっている。
おおい、キューイちゃんじゃないか。
近寄っても平気かな。
自転車を止めて、姿勢を低くして近づいてみる。
逃げないぞ。
おお、マイフレンド、キューイちゃん。
ところが、あと1メートルというところでアクシデント発生。
ガチャ。
ドアが開いた。
見上げてみる。
細くて長い脚、女子高生の制服、まあまあのお顔、茶髪気味で少し長めの髪。
私は急遽姿勢を正して、言い訳を開始する。
「あ、キューイちゃんがいつもウチに来るんですよ。あ、私、そこの梅津というものです」
切れ長の眼に見降ろされるのがつらい。
「そうですか」
もっとしゃべってくれい。
気まずいわ。
キューイちゃんが立ち上がった。
庭の方に行ってしまう。
おおい、君がいないと困るんだよ。
カムバック、キューイちゃん。
「かわいがってください」
そう言うと、女の子はおしゃれな自転車に乗ってどこかへいってしまった。
なんだ、この物足りないような感覚は。
もっと、怪しまれたり、逆にフレンドリーにするのが普通じゃないか。
随分とそっけない女の子だな。
まあいいや、命拾いした。
しかし、平日のお昼の12時に出かけていく女子高生というのもなんか変だな。
しかし、疲れた。
我が家に帰ろう。
ふと思いついた。
キューイちゃんは彼女の股間でも寝ているのだろうか。
間接キスみたいだな。
いやらしいな。
まあ、おじさんだからしょうがないよね。
しょうがない、しょうがない。
帰宅した。
ただいま。