梅津慶一 diary

たことねこ

事件は近所で起こっている。

自宅の前に、「梅津探偵事務所」という看板をつけてみた。

これで無職を抜け出して、自営業者だ。

 

けいいちさん、起きてください、事件ですよ。

うーん、不倫の現場をフォーカスしてくるのか?

違いますよ。

逃げ出した猫の捜索です。

なに、猫さんだって。

よーし、行ってみよう。

 

依頼主は隣に住む柿山さんだ。

猫好きなおばさんらしい。

猫の名前はラブちゃんというらしい。

避妊済みのメス。

 

キューイちゃん、電柱に貼るビラをつくって。

あいあいさー。

任せてください。

 

たこルカはどこかに行ったのか、いない。

 

よし、僕とももちゃんで探しに行こう。

まずは、長い棒のさきに糸を付けて、にぼしとカリカリを結びつける。

猫探索用の釣竿が完成。

これをもって、あたりをぶらぶしていれば、すぐに見つかるはずだ。

1時間、2時間と真夏の炎天下を歩くのは思ったよりもきつい。

柿山さんの家から半径50メートルを歩き回ったがラブちゃんは釣れない。

僕とももちゃんがいったん自宅に帰ろうとしたとき、僕の携帯電話が鳴った。

柿山さんからだ。

ラブちゃんが帰ってきたらしい。

 

柿山さんの家に着くとかわいらしい猫さんがちょこんと座っている。

ラブちゃんいったいどこに行ってたの?

プールがある大きな公園に行ってたのよ。

一人で?

違うよ。

泳ぎが得意なタコさんに連れて行ってもらったの。

・・・・・・。

・・・・・・。

たこルカか。

でそのたこさんはどこにいるの?

私をおうちに送り届けてくれてから、またプールに行ったよ。

 

3時間後、たこルカさんが帰宅。

やー、1万メートル以上泳ぐとさすがに疲れるね。

みなさんお揃いでどうしたの?

 

また、君だったか。

トラブルメーカーたこルカ

勝手によその子と遠くに行かないの。

誘拐されたかと思うでしょ。

 

あー、すまんこってす。

もうしません。

もうしません。

 

 

 

探偵事務所の初仕事は解決した。

あー疲れた。

寝よう。

寝よう。