宇宙を歩く猫。
おはようございます。けーいちです。
おはようございますにゃ。ももちゃんです。
ねえねえ、けーいちさん。
何?
マネージャーがもう帰ってこいって言ってるにゃ。
え?今週いっぱいは大丈夫なんでしょ?
そうなんだけど、ももちゃん考えたんにゃ。
ゆっくりといろんな星を見ながら帰って、新しいアイデアをゲットしようかなあって。
ももちゃん、実は最近マンネリなんよ。
そうか・・・。
うん、いいかもしれないね。
地球はもうももちゃんには合わないかもしれない。
そうか、やっぱりそうか、にゃるほどにゃ。
よし、さっそく帰るにゃ。
え?どうやって?っていうかそもそも、ももちゃんどうやってきたの?
来るときは自家用宇宙船で来たにゃ。
でも、帰りは歩いて帰ろうと思うにゃ。
・・・歩いて帰る・・・。
って何日かかるの。
うーん、ゆっくりだと50億年はかかるにゃ。
でも、走ったり宇宙バスを使えば一か月ぐらいだにゃ。
それでもマネージャーには怒られるけど、やっぱりいろんなところに寄り道してみるにゃ。
うん、それがいいね。でも、毎日、マネージャーさんには連絡を入れるんだよ。
あ、そうだ、さっき見つけたこのCDがすごくかっこいいから聴きながら行くといいよ。
僕はSimple Plan のStill Not Getting Anyを渡した。
わかったにゃ。
それじゃあ、けーいちさん、しばらくお別れにゃ。
うん、ばいばい、ももちゃん。
ももちゃんの姿が少し薄くなって、天井に向かって歩き出したと思ったら、すり抜けていった。
僕は家から出て空を見上げた。50メートルぐらい上にももちゃんらしき姿が見えた。
100メートルを超えると見えなくなった。
とってもきれいな春の空があったたかった。
部屋に戻るとももちゃんがいた。
おわー、ももちゃん、どうしたの?
あ、これは通信にゃ。
時々連絡するからよろしくにゃ。
う、うん、わかった。
ただいま高度1000メートル付近にゃ
ももちゃん元気でね。
けーいちさんこそ、体に気を付けるにゃ。
うん。じゃあね。
にゃ、速度上昇、レッツゴー!
ももちゃんまたね。
少し涙が出た。